脳卒中
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Giant aneurysmの臨床・病理学的検討
古場 群己原岡 襄福田 忠治東 幸郎坂田 隆一三輪 哲郎
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1984 年 6 巻 4 号 p. 388-397

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抄録

過去10年間に脳動脈瘤300例を経験したがその中で15例 (5%) が巨大脳動脈瘤であった.局在は, 内頚動脈11例, 前交通動脈1例, 中大脳動脈1例, 脳底動脈2例である.症状は各種眼症状9例, 鼻出血・水頭症・下位脳神経麻痺各1例, 偶然発見されたもの2例で, くも膜下出血で発症したものは1例のみである.手術は, 可能なかぎり直接手術 (クリッピング) を行うべきだと考えているが, 今までに3例のみである.次善の策として内頚動脈領域にはST-MC吻合+内頚動脈結紮3例, 総頚動脈結紮4例が施行されている.手術未施行例には破裂死亡が3例に認められた.診断面でCTscanのはたす役割は高い.又, 巨大脳動脈瘤の増大機序について, 病理所見より推測すると, 瘤内の血栓形成・器質化さらにその中への出血のくり返しにより徐々に増大すると考える.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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