脳卒中
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動静脈奇形による成人原発性橋出血の1例
木谷 光博小林 祥泰山口 修平山下 一也恒松 徳五郎
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1985 年 7 巻 1 号 p. 85-89

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抄録

57歳という比較的高齢である男性における, 動静脈奇形 (AVM) による原発性橋出血の1例を報告した.原発性橋出血の多くは, 成人にみられ, その原因はほとんど高血圧症であるといわれている.しかし, 小児に見られる橋出血においては, その原因は血管奇形によるものが多いといわれている.本例は, 既往に高血圧等の脳血管障害をきたす危険因子がなく, 発症直後のCTscanにて橋上部右外側被蓋に血腫を認め, 脳室穿破を合併していた.発症3ヵ月後のenhanced CTでは, 橋上部被蓋に低吸収域及び, その中に小さなenhanced spotを認めた.左椎骨動脈写により, 同部位に上小脳動脈をfeederとするAVMが確認され, このAVMが出血の原因と考えられた.本例のごとく50歳以上の原発性橋出血において, CT, 脳血管写上AVMが確認された例は, 極めて稀であると思われる.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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