トラウマティック・ストレス
Online ISSN : 2759-811X
Print ISSN : 1348-0944
特集 トラウマと報道
災害とパンデミックにおけるSNS 活用:専門家情報発信の現状と展望
村上 道夫, 小林 智之, 坪倉 正治, 忽那 賢志
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2025 年 23 巻 2 号 p. 48-55

詳細
抄録

大規模災害やパンデミック発生後において,専門家や当局から科学情報を発信するうえで,ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の重要性は増している.本原稿では,福島第一原子力発電所事故とCOVID-19という災禍におけるTwitter(現X)上での情報拡散の特性や専門家・当局に対する評価方法の研究事例,ならびに,処理水やCOVID-19に関する専門家によるSNS情報発信の実践例を紹介した.Twitterにもとづいた解析結果から,福島第一原子力発電所事故後,Twitterユーザーは限られた数のインフルエンサーから偏った情報のみを受け取るという,エコーチェンバー現象が見られたことが確認できた.一方,COVID-19のワクチン開発後には,タイムリーで継続的な情報発信を行った専門家を好意的に受け止めるユーザーが多かった.この知見は,処理水やCOVID-19に関して情報発信を行った専門家の経験とも一致した.さらに,情報発信を行う専門家を守るための組織体制や法的整備の重要性が指摘された.

著者関連情報
© 一般社団法人 日本トラウマティック・ストレス学会

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top