2025 年 23 巻 2 号 p. 79-89
本研究の目的は,医療従事者の重視する主体価値と,トラウマインフォームドケア(TIC)に対する態度の関連を検討することである.災害派遣医療チーム・災害派遣精神医療チームに登録している医療従事者71名を対象に,Schwartzの理論に基づく主体価値11項目の重要度と,TICに対する態度尺度(ARTIC)の得点を測定した.主体価値の項目を独立変数に,ARTICの得点を従属変数においた回帰分析の結果,「社会をよくすること」と「積極的に挑戦すること」の項目の重要度がARTICの得点と有意な正の関連を示した.これにより,支援者の前向きなTICの受け入れ・実践や,組織・現場における効果的なTICの普及のためには,これらの価値を重視する支援者を組織のTIC実践における中心的な存在として働きかけていくことや,この2項目とTICの重要性・必要性とのつながりを踏まえた教育やトレーニングを実施していくことが効果的であると考えられた.