抄録
2003年から2004年にかけて日本を含むアジア9カ国で発生した一連の高病原性鳥インフルエンザは, 感染症に国境がないこと, 日本の鶏群にも本症発生のリスクがあることに加えてウイルスの侵入をいち早く検出するために年間を通した家禽のモニタリングが必須であることを改めて諭す教訓となった. アジアでは今なお高病原性鳥H5N1インフルエンザウイルスによる家禽の被害が断続している. さらにタイとベトナムではそれぞれ12名および22名のヒトがH5N1ウイルスに感染し, 8名および15名が死亡した. 今後, 再び高病原性鳥インフルエンザが日本に飛び火する可能性を否定できない状況にある. 家禽における鳥インフルエンザウイルスの感染を早期に摘発, 淘汰することによって家禽の被害を最小限にくい止めるとともに, ヒトの健康と食の安全を守ることが鳥インフルエンザ対策の基本である.