ウイルス
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特集2 日本の周辺国で問題となっているウイルス感染症
1. 狂犬病とリッサ (狂犬病関連) ウイルス
源 宣之
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2004 年 54 巻 2 号 p. 213-222

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抄録
狂犬病は, 狂犬病ウイルスの主に咬傷からの感染によって起こる人獣共通感染症で, 人では恐水症とも呼ばれている. 発病した場合, 重篤な神経症状を伴ってほぼ100%死亡する極めて悲惨かつ危険な疾病である. 本病は紀元前23世紀頃より既に人類に知られていたが, 多くの急性感染症の発病が減少した今日においても, 世界におけるその発生状況は旧西欧各国を除いてここ数十年大きな変化はない. 日本では1957年を最後に本病の根絶に成功したが, アジア各国を含めた世界の発生状況には憂慮すべきものがあり, 我が国の防疫対策はおろそかに出来ない.
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© 2004 日本ウイルス学会
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