ウイルス
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特集2 日本の周辺国で問題となっているウイルス感染症
2. クリミア・コンゴ出血熱
西條 政幸森川 茂倉根 一郎
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2004 年 54 巻 2 号 p. 223-227

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抄録
クリミア・コンゴ出血熱 (Crimean-Congo hemorrhagic fever, CCHF) はブニヤウイルス科ナイロウイルス属に分類されるCCHFウイルス感染による出血熱である. 日本には存在しない感染症で, 日本人にはなじみの薄い感染症である. しかし, CCHFウイルスを含む出血熱ウイルスが我が国にも輸入される危険性があることから, ウイルス性出血熱の流行に対する備えは重要である. 国立感染症研究所では, CCHFウイルスを含む出血熱ウイルス (エボラウイルス, マールブルグウイルス, ラッサウイルス等) の組換え核蛋白を抗原とした抗体検出システムや抗原検出システムが開発され, 将来ウイルス性出血熱が国内で発生した場合に正確な診断が行えるように備えられている. また, これらの手法を用いて, 中国新疆ウイグル自治区のCCHFに関する臨床的・疫学的研究を行っている. ヒトでのCCHFウイルス感染症は, 人々の生活環境, 生活様式, 宗教, 職業, そして, 経済に深く係わっている. 本稿では, 国立感染症研究所で開発されたCCHFの診断症を紹介する. また, 新疆ウイグル自治区におけるCCHFに関する研究成績を紹介し, CCHFウイルス感染症の予防について考察した.
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© 2004 日本ウイルス学会
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