ウイルス
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解説
細胞傷害性T細胞(CTL)による逃避変異ウイルスの選択とHIV-の進化
滝口 雅文
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2009 年 59 巻 2 号 p. 145-154

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抄録

 HIV特異的細胞傷害性T細胞(CTL)は,HIVの増殖している細胞を殺すことで体内でのHIVの増殖を抑制するが,これらのCTLの認識を阻害する変異を持ったHIV(逃避変異HIV)が出現すると,体内ではこれらの変異体が優位になると推定されていた.最近の世界9か所のコホートでの約2800人のHIV-1感染者を解析した最近の研究で,CTLからの逃避変異HIVが蓄積してきていることを明らかにした.このことは,HLAクラスIとの結合やCTLからの認識を傷害する変異を持ったHIVが選択され,HLAクラスIに適合するようにHINは進化していることを意味している.このような免疫から逃避するHIVの進化は,ワクチンの開発に大きな課題を提示した.

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© 2009 日本ウイルス学会
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