ウイルス
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アンビセンスRNAをゲノムにもつイネ縞葉枯ウイルス
浜松 千賀石浜 明
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1994 年 44 巻 1 号 p. 19-25

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抄録
イネ縞葉枯ウイルス (rice stripe virus=RSV) は, ウンカ類で伝播されてイネ科植物に感染する, 比較的最近同定された病原ウイルスである。RSVは, 4分節の一本鎖RNAゲノムをもっているが, 塩基配列が決定されたRNA分節2, 3, 4のいずれもがアンビセンスである, 新型ウイルスであることが示唆されていた。この予想は, 試験管内翻訳実験から実証された。アンビセンスゲノム加構造によく一致して, ウイルス粒子にRNAポリメラーゼの存在が同定された。可溶化された粒子加構成微量蛋白成分230Kは, ゲノム4分節に共通に存在する末端保存配列をもつ短鎖モデルRNAを鋳型として, RNA合成活性を示した。アンビセンスゲノムの複製と転写の相関とアンビセンスゲノムをもつウイルスの特徴を推論した。
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© 日本ウイルス学会
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