ウイルス

はじめに

岡田吉美

1994 年 44 巻 1 号 p. 1
発行日: 1994/06/01
公開日: 2010/03/12

DOIhttps://doi.org/10.2222/jsv.44.1

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植物RNAウイルスの複製機構に関する研究 -タバコモザイクウイルスの研究例を中心に-

石川雅之

1994 年 44 巻 1 号 p. 3-10
発行日: 1994/06/01
公開日: 2010/03/12

DOIhttps://doi.org/10.2222/jsv.44.3

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タバコモザイクウイルス (TMV) RNAは, 対応する相補鎖RNAを介して複製する。TMVゲノム上にコードされたRNA複製に関与する因子の機能については, 完全長cDNAから感染性のあるウイルスRNAを合成する系の確立により, ウイルスゲノムの人工改変が可能になったため, 解析が進展してきた。しかし, マイナス鎖RNAの蓄積の特異的停止の機構や, ウイルスRNA複製過程にはどのような宿主因子がどのように関与するのかなど, 未だ知られていない諸相もある。本章では, TMVのRNA複製の未知な部分に焦点をあて, いくつかの研究例を紹介する。

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ウイルスの複製と伝播 -植物ウイルスの移行タンパク質-

渡辺雄一郎

1994 年 44 巻 1 号 p. 11-17
発行日: 1994/06/01
公開日: 2010/03/12

DOIhttps://doi.org/10.2222/jsv.44.11

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アンビセンスRNAをゲノムにもつイネ縞葉枯ウイルス

浜松千賀, 石浜明

1994 年 44 巻 1 号 p. 19-25
発行日: 1994/06/01
公開日: 2010/03/12

DOIhttps://doi.org/10.2222/jsv.44.19

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イネ縞葉枯ウイルス (rice stripe virus=RSV) は, ウンカ類で伝播されてイネ科植物に感染する, 比較的最近同定された病原ウイルスである。RSVは, 4分節の一本鎖RNAゲノムをもっているが, 塩基配列が決定されたRNA分節2, 3, 4のいずれもがアンビセンスである, 新型ウイルスであることが示唆されていた。この予想は, 試験管内翻訳実験から実証された。アンビセンスゲノム加構造によく一致して, ウイルス粒子にRNAポリメラーゼの存在が同定された。可溶化された粒子加構成微量蛋白成分230Kは, ゲノム4分節に共通に存在する末端保存配列をもつ短鎖モデルRNAを鋳型として, RNA合成活性を示した。アンビセンスゲノムの複製と転写の相関とアンビセンスゲノムをもつウイルスの特徴を推論した。

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ウイロイド (viroid)/hepatitis δとの関連

佐野輝男

1994 年 44 巻 1 号 p. 27-34
発行日: 1994/06/01
公開日: 2010/03/12

DOIhttps://doi.org/10.2222/jsv.44.27

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ギャップの入ったDNAゲノムを持つ hepatitis B virus と cauliflower mosaic virus との比較

古澤巖

1994 年 44 巻 1 号 p. 35-41
発行日: 1994/06/01
公開日: 2010/03/12

DOIhttps://doi.org/10.2222/jsv.44.35

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菌類で媒介される beet necrotic yellow vein virus

玉田哲男

1994 年 44 巻 1 号 p. 43-47
発行日: 1994/06/01
公開日: 2010/03/12

DOIhttps://doi.org/10.2222/jsv.44.43

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Beet necrotic yellow vein virus (BNYVV) は, テンサイそう根病の病原ウイルスであり, 土壌菌 Polymyxa betae によってうつされる。ウイルス粒子は桿状で, 21K外被タンパク質と1本鎖RNAから成る。RNA1～5の5種類のRNAがみつかっており, RNA-1と2は感染に必要であるが, RNA-3, 4, 5はサテライト様である。RNAゲノムはいずれも5′末端がキャップ構造, 3′末端がポリ (A) 配列である。RNA-1には, 237Kのタンパク質をコードするORFが存在し, RNA複製酵素と共通の配列が認められる。RNA-2には, 6個のORFが存在し, 5′末端側には21K外被タンパク質, つづいて54Kタンパク質をコードするORFが存在する。このタンパク質は, 外被タンパク質の読み過ごしとしてそのN′末端を含み, 75Kタンパク質として翻訳される。このタンパク質は,ウイルス粒子の組立てと菌伝搬性に重要な役割を果たしている。さらに3′側の3個のORFには, それぞれ42K, 13K, 15Kタンパク質がコードされ, これらはトリプロブロックジーンと呼ばれ, ウイルスの細胞間移行に関与している。RNA-2の3′末端側には, システィン豊富な14Kタンパク質がコードされている。RNA-3には, 25Kタンパク質のORFが存在し, これは検定植物 (ツルナ) の黄色斑形成とテンサイのそう根症状の発現に関わっている。31Kタンパク質をコードするRNA-4は, P. betae菌のウイルス伝搬効率を高める働きがある。以上, BNYVVに存在する4種のRNAは, それぞれ機能分担しており, ウイルスが自然で病気を起こし, 存続するために必須であると考えられる。

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イネツングロ病の病原ウイルス及び昆虫媒引

日比野啓行

1994 年 44 巻 1 号 p. 49-53
発行日: 1994/06/01
公開日: 2010/03/12

DOIhttps://doi.org/10.2222/jsv.44.49

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イネのツングロ病は, dsDNAを持つイネツングロ桿菌状ウイルス (RTSV) とssRNAを持つイネツングロ球状ウイルス (RTSV) によって引き起こされ, ヨコバイ類により伝搬される。RTBV, RTSVはともに半永続伝搬性で, RTBVのヨコバイによる獲得, 伝搬にはRTSV感染イネで形成されると考えられるヘルパー物質を必要とする。ヘルパーはRTBVのヨコバイの口器または前腸内壁への特異的な吸着に関与するものと考えられる。

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ウイルスに対する植物の応答

江原淑夫

1994 年 44 巻 1 号 p. 55-60
発行日: 1994/06/01
公開日: 2010/03/12

DOIhttps://doi.org/10.2222/jsv.44.55

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キュウリモザイクウイルス (CMV) ほか若干のウイルスに対する宿主植物の基本的な反応について検討した。
全身感染において, CMV黄斑系 (Y) 接種タバコ葉に形成される病斑 (黄色域) の強い黄化は, ウイルスの外被タンパク質 (CP) と宿主バーレー種の2重劣性遺伝子 (yb1, yb2) の相互作用に起因する。ウイルス増殖に伴い核クロマチンとCPが結合し, 非ヒストンタンパク質が変動する。宿主総mRNA, ポリゾーム, 宿主総タンパク質合成量の低下, さらに細胞質80S, 次いで葉緑体70Sリボソーム量が低下し黄化域の形成に至る。葉緑体のチラコイド膜結合の光化学系IIの酸素発生系を構成する約23Kおよび33Kのタンパク質の減少が黄化域の形成と並行して進行する。これら黄化域形成に至る一連の宿主反応はCMVマメ科系統 (L) 感染ササゲにおける黄色斑の形成についても基本的に共通している。
また全身感染個体における健全様の緑色組織においてウイルスゲノムが不完全な形で部分的に発現していることが認められた。
局部感染において, CMV接種ササゲ葉における過敏反応によるえ死斑形成はウイルスのRNA2に起因するが, それがコードする2aタンパク質のC末端側約60%にそれを決定する領域があると考えられる。この場合ウイルス増殖はCMV-Lにおける全身感染の場合に比べ, え死発現前から抑制される。またえ死発現前に photon の放出, O^-₂およびフリーラジカルの生成, そして脂質酸化による細胞膜の障害など一連の反応が進行し, え死発現に至る。え死発現と共にエチレン, PRタンパク質, ファイトアレキシン様物質の産生が増加する。

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自然界に見られるウイルス抵抗性遺伝子のメ力ニズム

岡田吉美

1994 年 44 巻 1 号 p. 61-68
発行日: 1994/06/01
公開日: 2010/03/12

DOIhttps://doi.org/10.2222/jsv.44.61

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遺伝子組み換えによるウイルス抵抗性植物の作出

小川俊也

1994 年 44 巻 1 号 p. 69-76
発行日: 1994/06/01
公開日: 2010/03/12

DOIhttps://doi.org/10.2222/jsv.44.69

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植物組織の全能性 (totipotency) と, Agrobacteriumを介したベクター系に代表される遺伝子導入系によって, 形質転換植物を作る技術が多数の植物で確立されてきた。その中で, ウイルス抵抗性植物を作出する試みも数多くなされており, 実用化を検討する段階までになっている。遺伝子組み換えによるウイルス抵抗性植物の作出法について今までに報告された例を概説する。

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ヒトパピローマウイルスによる癌化 (1)

特にそのE6遺伝子の役割について

石橋正英

1994 年 44 巻 1 号 p. 77-81
発行日: 1994/06/01
公開日: 2010/03/12

DOIhttps://doi.org/10.2222/jsv.44.77

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ヒトパピローマウイルスによる癌化 (2)

羽倉明

1994 年 44 巻 1 号 p. 82-85
発行日: 1994/06/01
公開日: 2010/03/12

DOIhttps://doi.org/10.2222/jsv.44.82

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B型肝炎ウイルスと肝発がん

小池克郎

1994 年 44 巻 1 号 p. 86-90
発行日: 1994/06/01
公開日: 2010/03/12

DOIhttps://doi.org/10.2222/jsv.44.86

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EBウイルス腫瘍-最近の展開

大里外誉郎, 今井章介, 杉浦亮

1994 年 44 巻 1 号 p. 91-94
発行日: 1994/06/01
公開日: 2010/03/12

DOIhttps://doi.org/10.2222/jsv.44.91

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遺伝子治療のための新しいウイルスベクターの開発

島田隆

1994 年 44 巻 1 号 p. 95-99
発行日: 1994/06/01
公開日: 2010/03/12

DOIhttps://doi.org/10.2222/jsv.44.95

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アデノウイルス・ベクター

斎藤泉

1994 年 44 巻 1 号 p. 100-104
発行日: 1994/06/01
公開日: 2010/03/12

DOIhttps://doi.org/10.2222/jsv.44.100

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レトロウイルスベクター

恵美宣彦

1994 年 44 巻 1 号 p. 105-109
発行日: 1994/06/01
公開日: 2010/03/12

DOIhttps://doi.org/10.2222/jsv.44.105

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センダイウイルスを使った遺伝子導入・発現系の開発

中西真人

1994 年 44 巻 1 号 p. 110-112
発行日: 1994/06/01
公開日: 2010/03/12

DOIhttps://doi.org/10.2222/jsv.44.110

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第29回日本ウイルス学会北海道支部総会

1994 年 44 巻 1 号 p. 113-126
発行日: 1994/06/01
公開日: 2010/03/12

DOIhttps://doi.org/10.2222/jsv.44.113

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日本ウイルス学会北海道支部第27回夏季シンポジウム

1994 年 44 巻 1 号 p. 127-133
発行日: 1994/06/01
公開日: 2010/03/12

DOIhttps://doi.org/10.2222/jsv.44.127

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シンポジウム日本脳炎

1994 年 44 巻 1 号 p. 135-143
発行日: 1994/06/01
公開日: 2010/03/12

DOIhttps://doi.org/10.2222/jsv.44.135

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ロタ (レオ) ウイルス研究ネットワーク (中間集計)

浦沢正三, 山崎修道, 後藤仁, 中込治, 牛島廣治

1994 年 44 巻 1 号 p. 145-168
発行日: 1994/06/01
公開日: 2010/03/12

DOIhttps://doi.org/10.2222/jsv.44.145

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