抄録
ウマの右肺動脈は右前葉気管枝の腹側を通り,右中葉気管支の背側を越えて右後葉の肺側気管枝系と外側気管枝系の間を右気管枝の背外側に沿って後方に走る。その経過中4気管枝系の各気管枝に沿って走る肺動脈枝を分枝する,肺動脈枝は主として気管枝の背側または外側に沿って走る。ウマの後葉の背側気管枝系と外側気管枝系の気管枝は右肺動脈から複数の血管分布を受ける。左肺動脈の分布は右肺動脈の場合と同様である。肺静脈は主として気管枝の内側または腹側で気管枝と気管枝の間を走り,右肺では右前葉静脈と右中葉静脈は共同幹を形成して左心房に流入し,副葉静脈は独自に左心房に流入する。左肺では左前葉静脈と左中葉静脈の一部が共同幹を形成して左心房に流入し,残りの左中葉静脈は独自に左心房に流入する。右後葉肺静脈幹と左後葉肺静脈幹は短い共同幹を形成して左心房流入する。