抄録
スクールカウンセラー(以下SC)が導入されて約20 年になる。学校は他職種協働を前提とした組織の在り方が問われている。本論文の目的は,教員見地より,SC との協働先進校の組織改革の過程,支援体制の特徴,促進要因を探索することである。方法として,SC との協働先進校の教員3 人に面接調査を行い,グランデッド・セオリーを用いて分析を行った。その結果,組織改革以前はSC と一部の教員間の協働に留まっていたが,支援会議の設置,校務分掌の整理,ボランティア組織の設立により,学校全体での協働が可能になった。SC との協働先進校の促進要因として,情報共有の場の設定,専門性・役割に応じた役割・仕事の設定,明確なビジョンの上での組織開発(管理職のリーダーシップ)が示唆された。