抄録
肺炎と下痢による全身衰弱で死亡した,生後27日齢,雄のホルスタイン種子牛を病理解剖したところ,心室中隔欠損(VSD),動脈管開存症および卵円孔開存(PFO)を伴った大動脈縮窄症(CA)であることが分かった。生前の心エコー検査では右-左短絡性VSD,およびPFO,ならびに右室肥大は確認できたものの,CAは確認できなかった。本症例のような複合型心奇形を伴うCAの診断は難しく,人医療域においては心エコーおよび心血管造影により診断出来るとされているが,今回の心エコー検査では本症を診断することは出来なかった