動物の循環器
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42 巻, 1 号
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原著
  • 田中 明希子, 保田 昌宏, 村上 隆之
    2009 年42 巻1 号 p. 1-7
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/03/24
    ジャーナル フリー
    心大血管奇形を示したウシの心臓733例中15例(2.0%)に冠状動脈肺動脈起始が認められた。宮崎大学で剖検されたウシにおける本異常の出現頻度は 0.17% であった。肺動脈から異常起始した冠状動脈は左冠状動脈(7例),右冠状動脈(5例),左右の冠状動脈(1例),単一冠状動脈(1例)および左冠状動脈の円錐傍室間枝(1例)であった。
  • 中川 清志, 宮川 優一, 竹村 直行, 広瀬 昶
    2009 年42 巻1 号 p. 8-15
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/03/24
    ジャーナル フリー
    目的-高齢犬の血圧,心拍数(HR)および心拍変動解析(HRV)の日内変動は,降圧剤などの循環器作用薬を処方する場合に考慮すべき事項である。しかし,高齢犬ではこれらの報告はない。そのため,本研究では高齢犬の血圧,HRおよびHRVの日内変動を観察し,併せて若齢犬のそれと比較した。
    方法-雌の正常ビーグル犬が高齢群(10-11歳,n=5)または若齢群(1-3歳,n=6)に振り分けられた。テレメトリーシステムを用い,収縮期血圧(SBP),拡張期血圧(DBP),脈圧(PP)およびHRが,無麻酔無拘束下で7日間連続記録された。HRVの高周波成分(HF)および低周波成分(LF)とHFの比(LF/HF)も記録された。
    結果-高齢群では,SBP, DBP, HFおよびLF/HFは二峰性の日内変動を示し,HFは単峰性だった。若齢群では,HRおよびLF/HFの日内変動は二峰性だったが,SBP, DBPおよびHFは単峰性だった。PPの日内変動は,両群ともあまり変動しなかった。高齢群では,SBPが有意に上昇し(P=0.0002),DBPが有意に低下した(P<0.0001)。その結果,PPは有意に増大した(P<0.0001)。HRおよびHFには両群間に有意差はなかった。LF/HFは若齢群で有意に高値を示した(P<0.0001)。
    結論-本研究の結果は。高齢犬の心血管パラメータの日内変動は若齢犬と異なることを示した。高齢犬の変動は,摂食などの刺激に若齢犬よりも容易に影響されるようだった。さらに,高齢犬ではPPが有意に増大した。高齢犬で観察されたSBPの増加およびDBPの低下は人で観察される変化に類似した。
症例報告
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