抄録
肺動脈狭窄症は犬で比較的多い先天性心疾患である。狭窄の程度により内科治療あるいは外科治療が適応される。狭窄部位を拡張させる治療法として,心臓カテーテルによるバルーン弁拡張術,人工心肺装置を用いた直視下肺動脈弁切開術および弁輪拡張術が挙げられる。若齢期の肺動脈狭窄症の外科治療は,狭窄の解除が最も優先されるが,成長を考慮した術式の選択などの発育段階におけるQOL向上に向けた治療方針も要求される。今後は病態を包括的にとらえた診断と発育に伴う変化を考慮した外科治療による総合的な治療法の確立が必要である。