動物の循環器
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臨床ノート
―過性の二次性左心肥大により左室流出路狭窄が認められた89日齢の猫の1例
原口 純子
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2021 年 54 巻 2 号 p. 79-83

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抄録

近医で心雑音を指摘され,発熱を呈し来院した89日齢の猫に検査を行ったところ,血液検査にて白血球数の増加と,心臓超音波検査にて左心室肥大と左室流出路狭窄が認められた。内科治療として抗生物質とACE阻害薬を投与したところ,熱が下がり白血球数は正常となり求心性心肥大も速やかに改善した。このことから,閉塞性肥大型心筋症でなく二次的な一過性の心筋肥大に関連した心不全と診断した。その後全ての検査が正常化し,投薬を中止して2年が経過しているが,症例は良好に経過しており,若齢で二次性の左心室肥大が認められその後の治療により消失した,まれな症例と考えられた。

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© 2021 日本獣医循環器学会
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