34頭の成熟ビーグル犬を対象に,右側横臥位,背位および懸垂位といった記録時の体位によって,心電図の測定値が,どのように相違するかについて自動計測心電計を用い検討を行った。
その結果,心電図の各種計測値のうち,懸垂位におけるQRS群の平均電気軸のみが,右側横臥位および背位に比べて有意に小さく,個体差が大きかった。また,5回の繰り返し測定の結果,懸垂位のみが,測定値の再現性に乏しいことも明らかとなった。
一方,T波の極性はどの体位であっても一様ではなく,体位を変えることにより,容易に極性が変化する場合が認められた。