動物の循環器
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肺水腫におけるニトログリセリン舌下錠の臨床応用
千村 収一
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1998 年 31 巻 1 号 p. 34-42

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抄録
肺水腫は犬の僧帽弁閉鎖不全症の経過中にしばしば遭遇する急性左心不全徴候である。治療には肺うっ血を改善する目的で利尿薬や血管拡張薬が投与される。
今回,ニトログリセリン製剤の中でも即効性の舌下錠を雄では包皮内に,雌には膣内に投与することを考案した。正常犬を用いた実験では,この投与法においても人で舌下投与した場合とほぼ同様の血行動態の変化が得られたことから臨床応用が可能と思われた。
また臨床症状が比較的軽度な肺水腫で来院した症状に初期治療としてニトログリセリン舌下錠の包皮または膣内投与を行ったところ,著明な臨床症状の改善が得られた。
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© 日本獣医循環器学会
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