職業リハビリテーション
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精神障害者が抱える課題の経時的把握
精神障害者授産施設の指導員とPSWが利用者と接する視点から
長沼 敦昌
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1997 年 10 巻 p. 47-54

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抄録
本研究では, 精神障害者授産施設利用者の属性を踏まえた上で, 利用者に対する指導員とPSWの視点および課題の把握方法から利用者が抱える課題の経時的把握に関して整理した。その結果, 授産施設利用者の疾患の86.1%が精神分裂病であり, 入院経験が通算5年以上にわたる者が37.4%いることがわかった。また, 利用者の抱える課題として規則的な生活, 健康管理, 周囲の人との協調性が指導員とPSWに共通して重視されていた。さらに, 因子分析によって, 利用者と接する指導員の視点の要因は (1) 生活マナー, (2) 求職活動, (3) ビジネスマナー, (4) 障害の克服, (5) 生活能力の順であり, PSWの視点の要因は, (1) 作業能力, (2) 通院, (3) ビジネスマナー, (4) 清潔感, (5) 障害の克服の順であった。課題の把握や働きかけの方法においてはインフォーマルな関係で主体性を尊重し自発的行動を促す傾向があった。
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© 日本職業リハビリテーション学会
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