職業リハビリテーション
Online ISSN : 2186-1331
Print ISSN : 0915-0870
ISSN-L : 0915-0870
10 巻
選択された号の論文の13件中1~13を表示しています
  • 病院内仕事さがし教室
    熊谷 直樹, 松田 富美子, 木野田 泰子, 遠藤 伊豆美
    1997 年10 巻 p. 1-8
    発行日: 1997/03/31
    公開日: 2011/03/23
    ジャーナル フリー
    認知行動療法(CBT)と作業療法(OT)等を統合した「仕事さがし教室」(以下, 教室)を精神障害者の就業援助に施行し, CBTの有用性を高める条件を検討した。1人を除き就業していない分裂病患者10人を対象に, 週1回1時間の求職面接技能や就業初期適応に関するCBTを用いたセッションと週4日のOTを5週間(1クール)施行した。セッション出席率は80%, 般化課題(宿題)の達成に至った完遂率は65%であった。全例に就業の妨げとなる対人行動の問題や, 高望みな反面自信欠如を示す認知面の問題が見られた。教室終了後, 面接技能の改善や現実的な方針の受容, 自信の向上の効果がみられたが, セッションへの反発や求職を焦った例もあった。終了後6ヶ月間に再発例はなく'就業に至った6人は他に比べ完遂率が高かった。CBTの有用性を高める上で, OTのような活動の場との統合, 宿題を通じた支援関係の系統的強化, 移行時の連携が重要と考える。
  • 川崎リハの「保護就労」での離職者の調査から
    尾崎 幸恵, 伊藤 真人, 中川 正俊
    1997 年10 巻 p. 9-16
    発行日: 1997/03/31
    公開日: 2011/03/23
    ジャーナル フリー
    精神障害者の職業リハビリテーションを考える上で, 就業が困難な人々に対しての障害者雇用施策と医療リハビリテーションとの中間段階の「実際的な場」の強化が模索されている。筆者らは, 川崎市リハビリテーション医療センターの「保護就労」が, この中間的就労場面の役割を内包しているのではないかと考え, 「保護就労」者104名 (精神分裂病圏) を対象にその離職に至るまでの就業期間・離職理由等の就労実態と離職後の転帰・離職後2年時点での生活実態を調査した。その結果, 「保護就労」は「一般就労」へのステップアップのための役割もあること, 「一般就労」が困難な人のノーマライゼーションとしての就業の場となっているということが就労実態から明らかになり, 生活実態からは, たとえ離職したとしても, 試行錯誤の中から次の目標を探る一助となっており, QOLから考えればより豊かな生活への踏み台ともなっていることが明らかとなった。
  • 西口 宏美, 佐藤 馨
    1997 年10 巻 p. 17-24
    発行日: 1997/03/31
    公開日: 2011/03/23
    ジャーナル フリー
    就労を目的とした職業個性の把握のために行われる職業評価法としてマイクロタワー法などをあげることができる。これらの評価法の多くはワークサンプル手法を用いており, クライアントの職業適性を総合的に把握するという効果を有している。一方, 産業構造の変革や高度技術革新により職場にはOA (OfficeAutomation; オフィスオートメーション)化・FA (Factory Automation;ファクトリーオートメーション)化の波が押し寄せ, ME (Micro Electronics) 機器操作作業が従来の手作業にとって替わろうとしている。そのため, ワークサンプル手法により作成された評価法の一部を変更・追加する必要がでてくるものと考えられる。そこで本論文では, IE (Industrial Engineering; 経営工学) 分野で用いられているWorkStudy (作業研究) 手法を用いて, キーボード操作作業を対象にした作業遂行能力の評価手法について提案した。また, この評価法を用いて実際に脳性麻痺者19名を対象に実施した。さらに, 障害等級・病型・ADL評価といった操作能力に影響を与えると推測される属性をもとに測定結果の検討も行った。その結果, WorkStudy手法を用いた職業評価法を用いることにより, 細かい職務・作業に対する能力を把握するのに有効であることが判明した。
  • 稲木 順
    1997 年10 巻 p. 25-31
    発行日: 1997/03/31
    公開日: 2011/03/23
    ジャーナル フリー
    本研究では, 2事例を通して, 障害者の職場でのいじめ問題について考察している。まず, いじめから派生する問題を, (1) QWL, (2) 職場定着, (3) メンタルヘルス, (4) 社会への統合, (5) 人権の5つの視点から整理し, いじめが障害者にもたらす影響を分析する。さらに, いじめの発生要因について分析し, これには2つのタイプがあると考える。一つは障害者自身の作業能力や対人関係に問題があり, それに対し適切な職場環境が整備できずに発生するものであり, もう一つはいじめる側の問題から発生するものである。前者については, 障害者本人の職業能力と障害認識・会社の要求水準から8類型に分けて職場適応状態を整理しながら, いじめの予防と対策について考察する。後者についての対策は今後の課題としながら, いじめる側の問題分析や学校教育・社会教育の問題, 啓発の必要性を提起している。
  • 鈴木 良子
    1997 年10 巻 p. 33-38
    発行日: 1997/03/31
    公開日: 2011/03/23
    ジャーナル フリー
    社会生活能力の高い精神薄弱者は, 雇用へと結び付く可能性が高いと一般的に考えられる。しかし, 社会生活能力評価において, 高得点を獲得していながら雇用へと至らなかった者がいる。そこで雇用に結び付かなかった原因について検討した。
    対象者は東京都心身障害福祉センターを利用した12名の軽度精神薄弱者で, 社会生活能力評価はHalpernらが開発した社会生活・職業準備テストバッテリーを使用した。
    社会生活能力評価の総合得点正当率では, 雇用可能の範囲内であったのに, 下位項目の「求職スキル」では全員の者が平均正当率まで達することはできなかった。そのほかの項目でも平均正当率に満たないものがあり, 全体的にバラツキが見られた。
    社会生活能力評価の総合得点で高い正当率を獲得していても, 下位項目の「求職スキル」が未熟な者は適応状態で問題行動が出現しやすく, 職業人としての素質が一般雇用のレベルに達しない。今後は精神薄弱者の一般雇用を考える場合, このレベルの救済が必須となる。
  • その有効性と今後の課題についての検討
    村上 裕輔
    1997 年10 巻 p. 39-46
    発行日: 1997/03/31
    公開日: 2011/03/23
    ジャーナル フリー
    横浜市総合保健医療センターで行なっている精神障害者に対する「ジョブコーチ活動」について, 活動データを精査し, その有効性を検討した。その結果, クライエント本人に対する即時的援助の他, 就労事業所へのアプローチによる就労環境の整備がクライエントの就労定着を図る大きな鍵となっていることが明らかにされた。その一方, 就労中断に至った事例の考察からは, ジョブコーチが持つべき役割のうちクライエント, 就労環境双方についてのアセスメントの弱さがその帰結に影響しており, この点で大きな課題が残されている。さらに, ジョブコーチ活動を導入するにあたってそのモデルとした米国「援助付き雇用」の理念と戦略に立ち返ると, 障害者を取り巻く支援環境を形成することがジョブコーチによる援助の到達点であると言える。
  • 精神障害者授産施設の指導員とPSWが利用者と接する視点から
    長沼 敦昌
    1997 年10 巻 p. 47-54
    発行日: 1997/03/31
    公開日: 2011/03/23
    ジャーナル フリー
    本研究では, 精神障害者授産施設利用者の属性を踏まえた上で, 利用者に対する指導員とPSWの視点および課題の把握方法から利用者が抱える課題の経時的把握に関して整理した。その結果, 授産施設利用者の疾患の86.1%が精神分裂病であり, 入院経験が通算5年以上にわたる者が37.4%いることがわかった。また, 利用者の抱える課題として規則的な生活, 健康管理, 周囲の人との協調性が指導員とPSWに共通して重視されていた。さらに, 因子分析によって, 利用者と接する指導員の視点の要因は (1) 生活マナー, (2) 求職活動, (3) ビジネスマナー, (4) 障害の克服, (5) 生活能力の順であり, PSWの視点の要因は, (1) 作業能力, (2) 通院, (3) ビジネスマナー, (4) 清潔感, (5) 障害の克服の順であった。課題の把握や働きかけの方法においてはインフォーマルな関係で主体性を尊重し自発的行動を促す傾向があった。
  • 作業療法士におけるテクニカルエイド活用支援の阻害要因分析
    金子 直未, 磯村 恒
    1997 年10 巻 p. 55-60
    発行日: 1997/03/31
    公開日: 2011/03/23
    ジャーナル フリー
  • 秋庭 正己, 島津 淳
    1997 年10 巻 p. 61-64
    発行日: 1997/03/31
    公開日: 2011/03/23
    ジャーナル フリー
  • 卒業者の生活状況の調査を通して
    櫻井 千鶴子
    1997 年10 巻 p. 65-70
    発行日: 1997/03/31
    公開日: 2011/03/23
    ジャーナル フリー
  • 過去4年間の取り組みをとおして
    谷川 陽美, 大久保 圭子, 高羽 良子
    1997 年10 巻 p. 71-76
    発行日: 1997/03/31
    公開日: 2011/03/23
    ジャーナル フリー
  • 小嶋 珠実
    1997 年10 巻 p. 77-82
    発行日: 1997/03/31
    公開日: 2011/03/23
    ジャーナル フリー
  • 石黒 豊
    1997 年10 巻 p. 83-87
    発行日: 1997/03/31
    公開日: 2011/03/23
    ジャーナル フリー
feedback
Top