職業リハビリテーション
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進行性筋ジストロフィー者の就労支援における個人情報伝達
小澤 昭彦
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2000 年 13 巻 p. 18-24

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抄録
本研究では、筋ジストロフィー者の就労支援における個人情報の伝達の方法について、援助専門職に対する面接調査法によりノウハウを収集した。結果から、個人情報の伝達に関する同意については、伝達する相手に関係なく、職員および本人と同意を得る重要性が示唆された。事業所への個人情報の伝達については、遂行可能な作業や本人の受け入れに必要な留意事項に併せて、障害の進行により現在の作業遂行が難しくなった場合の次の進路に関する情報の伝達が、採用の可能性を高める上で重要とされた。また、事業所に対する障害名や障害状況の伝達に関しては、本人から同意を得る方法や本人、家族への事業所側の見方に留意して、伝達の方法を吟味する必要性が示唆された。医療機関に対しては、障害の補償手段も含めて本人が遂行可能な内容を伝える必要性が指摘されている。そのほか、筋ジストロフィー者に対する態度面の障壁も、就労支援の過程での円滑な個人情報の伝達を阻害する要因としてあがった。
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© 日本職業リハビリテーション学会
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