抄録
近年わが国では、「ジョブコーチ」をキーワードに、さまざまな就労援助の試みが全国的な広がりを見せている。本研究では、筆者らが開催したジョブコーチ養成セミナーの参加者を潜在的なジョブコーチ人材層と想定し、セミナー参加者に対して実施した研修ニーズ調査の結果を考察した。その結果、セミナー参加者の過半数が「ジョブコーチは職場で援助する」程度のイメージをもつものの、ジョブコーチの具体的な職務や役割、援助技術についてはあまり知らないことがわかった。ジョブコーチの研修カリキュラム作成や先駆的な実践の拡大のためには、ジョブコーチの職務や役割について、実践の蓄積と検証に基づく概念整理や体系化が急務である。