職業リハビリテーション
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精神障害者の雇用支援における個人情報伝達
小澤 昭彦
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キーワード: 精神障害, 個人情報, 伝達
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2001 年 14 巻 p. 9-16

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抄録
本研究では、精神障害者の雇用支援における個人情報の伝達の方法について、雇用支援の専門職に対する面接調査法によりノウハウを収集した。結果から、個人情報の伝達に関する同意については、伝達する相手に関係なく、職員および本人に同意を得る重要性が示唆された。事業所への個人情報伝達においては、精神疾患の特徴に関する情報伝達の重要性が示唆された。精神障害者の雇用支援を行う機関への個人情報伝達においては、疾病管理のノウハウや職業能力に関する情報の伝達が重要と判断された。そして、本人、家族への個人情報の伝達では、疾患の内容や作業特性といった、自己理解や家族側の本人理解を促す個人情報伝達の重要性が示唆された。また、事業所への個人情報伝達の際の留意点として、(1) 伝達目的の明確化、(2) 段階的な伝達、(3) 行動観察の結果の重視、(4) 職業アセスメント結果の活用法、および (5) 精神障害のあることを伝達するか否かがあげられ、それぞれについて考察がなされている。
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© 日本職業リハビリテーション学会
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