職業リハビリテーション
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14 巻
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 柴田 珠里, 小川 浩, 鎌田 章代, 西尾 保暢, 角田 みすず
    2001 年14 巻 p. 1-8
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2011/03/23
    ジャーナル フリー
    近年わが国では、「ジョブコーチ」をキーワードに、さまざまな就労援助の試みが全国的な広がりを見せている。本研究では、筆者らが開催したジョブコーチ養成セミナーの参加者を潜在的なジョブコーチ人材層と想定し、セミナー参加者に対して実施した研修ニーズ調査の結果を考察した。その結果、セミナー参加者の過半数が「ジョブコーチは職場で援助する」程度のイメージをもつものの、ジョブコーチの具体的な職務や役割、援助技術についてはあまり知らないことがわかった。ジョブコーチの研修カリキュラム作成や先駆的な実践の拡大のためには、ジョブコーチの職務や役割について、実践の蓄積と検証に基づく概念整理や体系化が急務である。
  • 小澤 昭彦
    2001 年14 巻 p. 9-16
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2011/03/23
    ジャーナル フリー
    本研究では、精神障害者の雇用支援における個人情報の伝達の方法について、雇用支援の専門職に対する面接調査法によりノウハウを収集した。結果から、個人情報の伝達に関する同意については、伝達する相手に関係なく、職員および本人に同意を得る重要性が示唆された。事業所への個人情報伝達においては、精神疾患の特徴に関する情報伝達の重要性が示唆された。精神障害者の雇用支援を行う機関への個人情報伝達においては、疾病管理のノウハウや職業能力に関する情報の伝達が重要と判断された。そして、本人、家族への個人情報の伝達では、疾患の内容や作業特性といった、自己理解や家族側の本人理解を促す個人情報伝達の重要性が示唆された。また、事業所への個人情報伝達の際の留意点として、(1) 伝達目的の明確化、(2) 段階的な伝達、(3) 行動観察の結果の重視、(4) 職業アセスメント結果の活用法、および (5) 精神障害のあることを伝達するか否かがあげられ、それぞれについて考察がなされている。
  • 長谷川 真也, 阿部 順子, 加藤 朗, 本田 雅子
    2001 年14 巻 p. 17-22
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2011/03/23
    ジャーナル フリー
    脳外傷者の課題や援助者の対応については、これまでいくつものポイントが指摘されてきた。名古屋市総合リハビリテーションセンター職能開発課では彼らの職業準備訓練を行うなかで、脳外傷者の認知や行動について、びまん性軸索損傷は情報ネットワークの障害であるという点に注目し、情報処理過程での階層的な把握によって説明が可能になるのではないかと考えた。この視点は脳外傷者の障害理解に有用であると同時に、就労援助にも有効に活用できるのではないかと考える。
  • 職業リハピリテーション分野における相談・支援構造への考察
    牧 裕夫
    2001 年14 巻 p. 30-35
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2011/03/23
    ジャーナル フリー
    相談室で行われる一般の心理臨床では、同じ相談室、固定された机、椅子の配置等の物理的な治療構造があり、各理論的立場から提供される治療、相談を方向づけているものとして検討されている。一方、職業リハビリテーション分野での支援は、相談室にとどまらず、公共職業安定所、事業所等様々な場所、利用者と支援者の様々な位置関係により展開される。職業リハビリテーション分野でも、支援の枠組みとなる相談・支援構造を検討することは基本的な作業であると考える。
    筆者の事業所での支援体験に基づき、事業所内支援の枠組みとなる物理的位置関係、さらに、事業所における支援者の視座から相談・支援構造を検討した。考察では、事業所内での支援における物理的位置関係の移行そのものも「依存一信頼」関係から「独立一信頼」関係の形成として相談・支援構造となっていることとともに、それぞれの構造における支援のポイントを指摘した。
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