抄録
社会福祉の教育現場における学生の認知や行動は個人の価値観に委ねられている。その精神障害者観は、妄想を持ち犯罪に大きく関与し、危険で症状が固定化し社会生活のできないなど偏見と誤解を持ち合わせているものと考えられる。偏見や誤解についての価値教育は、学習・経験・討議など集団力学的な作用により関連付けられるものである。
本論は、精神障害者観に関する意識調査として、一般国民と社会福祉系学生との価値観の差異を確認し、接触経験と理解度の関係性を考察することである。更に、実践教育における他者や集団との検討から人の行動や意見が変化し、意識としての価値観の変容がおこりうるかを試みることである。