職業リハビリテーション
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知的障害者の作業場面における不適切行動の改善に関する援助事例
渡邊 雅俊
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2004 年 17 巻 2 号 p. 1-9

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抄録
作業場面において大声を出したり、独り言や独り笑い等の不適切行動が多発した1名の知的障害者を対象として、自己制御力を促す指導を試みた。対象者の不適切行動の主たる要因として、作業中にテレビ番組の内容を想起することが考えられた。これらを抑制するために仕事の約束を設定し、自己教示、自己点検について指導した。指導終了後の評価の結果、作業行動は指導前より早く、ミスの少ないものへと改善された。そして、明らかに目立つ不適切行動は出現しなくなった。この改善された状態は3ヶ月後まで維持されていた。しかし不適切行動のなかで、独り言だけは指導後も出現し続けた。
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© 日本職業リハビリテーション学会
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