抄録
重度更生施設における中高年脳血管障害者の, 就労の前提となる要因とその関係を探り, 就労群と非就労群の差異は何かを明らかにすることは, 彼らの処遇に携わる施設職員にとって重要な意味をもつ。
就労要因については, 各々の要因を大きく規定要因群と変化要因群に分けたうえ, 各要因の関係を示したチャート図を作成することで, 従来, 経験的に対応してきた問題がより明確になった。そして, それらの就労要因を4段階に分類した評価表を用いて, 就労群と非就労群を評価した結果, 認識面の問題, 発症前の経歴や性格の重要性等, 各群のもつ特徴が浮きぼりにされた。さらに, ケースの事例を通し, アプローチによる効果が大きいのはどのような要因かなどを検証した。