身体障害者福祉法における身体障害者更生援護施設は, 施設の数も増え, 内容も充実されてきた。法上の施設種別だけでは, 各施設の運営方針や作業・訓練の内容は把握できないほど多種多様な施設が増えている。障害者本人が, 希望にあった施設を選ぶ上でも, 更生相談所の施設入所判定でも, 地域の身体障害者施設情報の収集と整理は重要な課題となっている。そこで, 本研究では, 施設独自の特色や内容を「施設個性」と呼ぶこととし, その施設個性を捉えるための調査方法について検討を目的とする。調査様式は自由記述部と評定部に分けて, 施設個性を表現できると思われる項目を選定し名古屋市内の身体障害者更生援護施設を対象に調査を行なった。今回の分析からは, 施設個性を表現するには施設利用者に要求する能力的次元は妥当と考えられた。また, 職業リハビリテーションネットワーク形成のために施設情報の収集整理は, 今後重要な課題と思われた。