下水道協会誌
Online ISSN : 2434-2475
Print ISSN : 0021-4639
学術論文
余剰汚泥分離液からの電気透析による肥料元素類の濃縮技術の開発
松橋 波生, 新山 拓馬, 藤齊 知希, 竹花 和浩, 鳴海 貴之, 笹本 誠, 石川 奈緒, 伊藤 歩
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2026 年 63 巻 761 号 p. 93-103

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抄録
下水の嫌気好気活性汚泥法から生じる余剰汚泥は,P やK を豊富に含む。この余剰汚泥を無酸素または嫌気培養することで,汚泥中のP とK の一部を溶出した後,機械濃縮後の分離液を採取した。そのろ液は濃度が数十mg/L 程度のP,K,NH4-N を含み,それを供給液とした電気透析によって,目標P 濃度を4.4 g/L(P2O5 として1%)以上として肥料元素類の濃縮を試みた。供給液と濃縮液の体積比を10:1(10 倍)とし,電極液や濃縮液の組成を変えて検討した。その結果,pH を3 に調整した希硫酸を電極液と濃縮液として併用した条件において,肥料元素類の移動率はP で84.1%,K で92.1%,NH4-N で79.6% と高い値を示した。さらに,体積比を200 倍とした場合,肥料元素類の濃度はP で5.5 g/L,K で2.5 g/L,NH4-N で3.4 g/L に達し,濃縮液を菌体りん酸肥料として利用できる可能性が示された。総エネルギー消費量は10 kWh/kg-P,18 kWh/kg-K,16 kWh/kg-NH4-N であり,P に関しては他の研究結果よりも比較的低く,本技術の有効性が示唆された。
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