水環境学会誌
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調査報告
九十九里沿岸海域における天然ガス・ヨウ素工場周辺の窒素類の現況把握
高橋 和彦大谷 康彦飯田 英雄松本 伸一佐藤 匡臣細見 正明畑 恭子永尾 謙太郎
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2012 年 35 巻 7 号 p. 111-117

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抄録
千葉県九十九里地区では地中500~2,000 m程度のガス層からの天然ガス・ヨウ素の掘削・採取を行っている。この天然ガス・ヨウ素の採取に伴い,地中から汲み上げられる地下水(かん水)を工場周辺の河川および海域に排水している。かん水には比較的高濃度の窒素類が含まれている。本調査は,かん水の排水が周辺の河川および海域に及ぼす影響を明らかにするため,河川および海域における窒素類の濃度を観測するとともに,海域での窒素類の挙動(拡散や循環)についてシミュレーションモデルを用いて推定した。一年を通じて工場排水の流入前後でアンモニア態窒素濃度のみが上昇し,工場から河川域に排水されたアンモニア態窒素はほとんど硝化作用を受けず沿岸域に流出している可能性が示唆された。さらに沿岸・沖合域では植物プランクトンによるアンモニア態窒素の吸収速度がアンモニア態窒素の硝化速度を大きく上回っていることがシミュレーション結果より示唆された。
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© 2012 公益社団法人 日本水環境学会
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