水環境学会誌
Online ISSN : 1881-3690
Print ISSN : 0916-8958
ISSN-L : 0916-8958
原著論文
栄養塩濃度の高い用水を反復利用する水田群での窒素•リンの動態
大久保 卓也佐藤 祐一東 善広
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 37 巻 5 号 p. 177-187

詳細
抄録
窒素•リン濃度の高い(T-Nで約2~5 mg•L-1,T-Pで約0.2~0.7 mg•L-1)用水を反復利用している滋賀県守山市のA地区(0.84 ha)とB地区(1.0 ha)の水田群を対象に,窒素,リン等の動態把握調査を行った。その結果,(1)2地区の水田群でのT-Nの差引排出負荷量は-56~11 g•ha-1•d-1であり,A地区でT-Nは除去されていた。(2)リンと有機物については,2地区とも水田群への流入量よりも流出量が多くなり,水田は供給源になっていた。2地区の水田群からのT-Pの差引排出負荷量は90~104 g•ha-1•d-1であり,既往の文献値に比較して高かった。(3)農業排水を反復利用することは,窒素濃度が高い場合(約2 mg•L-1)は,下流への排出負荷量削減に結びつくが,リンや有機物については,排出負荷量削減効果を期待することは難しいと考えられた。
著者関連情報
© 2014 公益社団法人 日本水環境学会
前の記事 次の記事
feedback
Top