水環境学会誌
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調査論文
霞ヶ浦底泥におけるMicrocystis rDNAの分布と季節変動
長濱 祐美中川 圭太菅谷 和寿冨岡 典子相﨑 守弘
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2017 年 40 巻 4 号 p. 183-188

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抄録
夏季の霞ヶ浦ではしばしばMicrocystisを主とするアオコが発生しているが, その発生の予測に重要な底泥中での現存量や, 底泥からの回帰時期・量を明らかにした例はない。そこで本研究では, 霞ヶ浦全域におけるMicrocystisの底泥中の分布とその変動を, リアルタイムPCRを用いて明らかにした。その結果, 底泥中のMicrocystis細胞濃度には地点差が見られ, また季節的な変動があることが分かった。さらに, 土浦入の夏季におけるMicrocystis細胞濃度の変動を調査した結果, 6月初旬には底泥から湖水中へ回帰していることが推察された。また, 夏季から秋季にかけては底泥中のMicrocystis細胞濃度のゆるやかな減少が見られ, 霞ヶ浦の底泥表層においてはMicrocystis細胞の分解と流出の影響があると推測された。
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© 2017 公益社団法人 日本水環境学会
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