水環境学会誌
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宍道湖におけるカビ臭発生藻類Coelosphaerium sp.がヤマトシジミのろ過活性, 肥満度およびカビ臭着臭へ与える影響
辻谷 睦巳相﨑 守弘神門 利之
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2018 年 41 巻 4 号 p. 91-96

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抄録

カビ臭発生藻類Coelosphaerium sp.がヤマトシジミの生理活性及びカビ臭着臭へ与える影響を明らかにすることを目的に, カビ臭が発生した2009年に, 宍道湖から採取したヤマトシジミを用いてろ過速度, 肥満度の変化及び砂抜きによる体内のgeosmin含有量とChl.a含有量を調べた。その結果, 4月~5月及び9月~12月にCoelosphaerium sp.が増加し, カビ臭が発生した。Coelosphaerium sp.が優占した春季にはろ過速度の低下が見られた。肥満度は秋季に低下した。カビ臭発生時に優占したCoelosphaerium sp.を含む藍藻類をヤマトシジミが取り込み, それに伴って生理活性を低下していることが推測された。また, カビ臭発生初期では砂抜きによってカビ臭はなくなり, 身にはほとんどgeosminが検出されなかったことから, 体内に取り込まれたCoelosphaerium sp.の中のgeosminによってカビ臭がしていたと推測された。しかし, カビ臭が2ヵ月程度続くと, 砂抜きによるgeosmin含有量の減少割合は低くなり, 徐々にgeosminが身へ移行したと推測された。

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