調査船による月例観測では, 年による観測日の違いにより, その水温データには経年変動だけではなく季節性が包含されるため, データの取り扱いには注意を要する。本研究では, 大阪湾で実施された1981~2010年の月例定点観測データをもとに, 調査日を補間する連続的な平年値の算出および平年偏差の標準化を試み, 気象との比較や長期変動について解析した。平年値は2月中下旬, 8月中下旬に極値を持つフーリエ級数で表すことができ, 太陽放射および気温との位相差はそれぞれ約57日, 約20日であることが明らかとなった。平年偏差の長期変動については, 線形トレンドは有意ではなく, 1993年11月にジャンプによる水温上昇が検出された。水温ジャンプは, 冷水性・暖水性魚類の漁獲量に影響を与えることが示唆された。