2016年に底層DOが環境基準に追加された。閉鎖性の高い東京湾では, 赤潮や青潮が発生しており, 夏季の底層DOは2 mg L-1を下回っている。底層DOの低下の原因を探るため, 表層から底層までの水質鉛直分布図の過去15年の調査結果をまとめた。その結果, 毎年夏季に形成される水温躍層と, 降雨等による陸域からの淡水流入で形成される塩分躍層が, DOの低下に影響を与えていることがわかった。また, 水深が急激に深くなるSt.A (幕張沖深掘り跡地) では多くの年度で底層の酸素消費に赤潮プランクトンの寄与が認められたが, 海底が比較的平坦なSt.8 (湾中央) では, 年度によっては底層の酸素消費に赤潮プランクトンによる寄与が必ずしも大きくないことが推察された。DOの鉛直分布から貧酸素水塊の形成と解消時期の状況が確認され, 深掘り跡地の水深が浅くなったことで貧酸素水塊が縮小していた。