2022 年 45 巻 6 号 p. 245-256
染料マイクロカプセルラグランジュ線量計 (DMC-LA) および生物線量計 (MS2, Qβ) を用いた通水試験を実施し, 通水試験におけるDMC-LAの紫外線感光特性, 紫外線照射槽内の平均紫外線量の算出方法, およびDMC-LA法の適用性に関する検討を行なった。得られたDMC-LAの蛍光発光量分布は, 全て対数正規分布によくあてはまった。得られた紫外線照射装置の紫外線量分布は, 全て正規分布に近い形状の対数正規分布と見做すことができ, 流量の減少とともに分散が増加した。各紫外線量分布に基づく予測値は, MS2では2.9 log不活化, Qβでは3.1 log不活化までの範囲において, 各生物線量計による通水試験の実測値と同等の精度で一致した。本研究により, 回分試験のみならず通水試験に対してもDMC-LA法が適用可能であることが確認され, DMC-LA法による紫外線照射装置のバリデーションの有効性が示された。