水環境学会誌
Online ISSN : 1881-3690
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45 巻, 6 号
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研究論文
  • 出口 憲一郎, 堀江 和峰, 菊地 早恵子, 長坂 安彦, 神子 直之
    原稿種別: 研究論文
    2022 年 45 巻 6 号 p. 245-256
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/11/10
    ジャーナル フリー

    染料マイクロカプセルラグランジュ線量計 (DMC-LA) および生物線量計 (MS2, Qβ) を用いた通水試験を実施し, 通水試験におけるDMC-LAの紫外線感光特性, 紫外線照射槽内の平均紫外線量の算出方法, およびDMC-LA法の適用性に関する検討を行なった。得られたDMC-LAの蛍光発光量分布は, 全て対数正規分布によくあてはまった。得られた紫外線照射装置の紫外線量分布は, 全て正規分布に近い形状の対数正規分布と見做すことができ, 流量の減少とともに分散が増加した。各紫外線量分布に基づく予測値は, MS2では2.9 log不活化, Qβでは3.1 log不活化までの範囲において, 各生物線量計による通水試験の実測値と同等の精度で一致した。本研究により, 回分試験のみならず通水試験に対してもDMC-LA法が適用可能であることが確認され, DMC-LA法による紫外線照射装置のバリデーションの有効性が示された。

調査論文
  • 木口 倫, 吉田 真, 斎藤 康樹, 岡野 邦宏, 西川 裕之, 髙橋 政之, 宮田 直幸
    原稿種別: 調査論文
    2022 年 45 巻 6 号 p. 257-270
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/11/10
    ジャーナル フリー

    2020年6月と8月に秋田県八郎湖流域における浸透移行性殺虫剤および代謝物の濃度レベルと水平分布の調査を行った。その結果, ジノテフラン, イミダクロプリド, チアクロプリド, チアメトキサム, クロチアニジン, エチプロールとフィプロニルおよび代謝物のチアクロプリドアミドが検出された。最大検出率はジノテフランが100%, チアクロプリドアミドが80%であり, 水稲生産の影響が示唆された。最大検出濃度は, 8月の湖内でジノテフランが2,200 ng L-1, 6月の流入河川でチアクロプリドアミドが60 ng L-1であった。8月のジノテフランは調査水域の広い範囲で検出され, 他の農薬に比べて1-3桁高かった。ユスリカ幼虫の急性毒性値によるPNECと最大検出濃度を用いた初期リスク評価ではジノテフランのみが1より大きかった。しかしながら, 本研究では四季を通じた動態は不明であり, 詳細な調査が必要であると考えられた。

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