水環境学会誌
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技術論文
化学物質流出事故対策に活用可能な河川流下予測早見表の開発-多摩川, 淀川, 日光川におけるクロロホルムを例として-
石川 百合子村田 道拓川口 智也小野 恭子恒見 清孝
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2023 年 46 巻 3 号 p. 77-84

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抄録

河川流域における化学物質流出事故発生後の国や自治体による対策の促進を目的として, 化学物質の時空間的濃度を迅速に把握できる流下予測早見表を開発した。流域規模が異なる3水系で集水域や河床勾配の違いを反映させた事故発生地点を設定し, 時間解像度を1分に詳細化した河川モデルAIST-SHANELを用いて晴天時, 雨天時, 集中豪雨時別にクロロホルムを対象としたシミュレーションを実施した。推定した濃度を事故発生地点からの流下距離と事故発生後の流下時間を軸とした流下予測早見表に表示した。全国水系で早見表を参照できるよう全ケースの早見表を集水面積と河床勾配の観点で体系化し, 河床勾配が大きいほど化学物質の流下時間は短く, 集水面積が大きいほど希釈効果により化学物質のピーク濃度が低くなる傾向を得た。これにより, 全国の任意の河川水系において現在よりも速やかで効率的な化学物質流出事故対策の促進を図ることが可能となる。

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© 2023 公益社団法人 日本水環境学会
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