水環境学会誌
Online ISSN : 1881-3690
Print ISSN : 0916-8958
ISSN-L : 0916-8958
技術論文
銅-亜鉛還元コイルを用いたCFA法による全窒素分析法の開発
高橋 のどか森久保 諭熊澤 頼博神野 良誠榎本 大佑田熊 保彦奥西 将之前田 広人
著者情報
ジャーナル フリー

2024 年 47 巻 6 号 p. 163-169

詳細
抄録

本研究では既報の銅-亜鉛還元コイルによる硝酸分析手法と, ペルオキソ二硫酸カリウムによる分解を組み合わせることにより, 銅-亜鉛還元コイルを用いた連続流れ分析 (CFA) による全窒素分析法の開発を行った。本法により, 有害物質であるカドミウムを用いない低環境負荷な全窒素分析手法を実現した。本法の評価を行ったところ, 検量線の決定係数は0.9996であり, 装置検出下限値および方法定量下限値は環境水や排水の測定に必要とされる定量下限よりも低い値となった。また, 環境水や排水等の試料を用い従来法との精度を比較した測定では, 従来法と同等の結果を得ることができ, 本法の妥当性を確認することができた。さらに, 3施設における室間精度測定を行った結果からは, 室間精度が10%未満であり本法が測定環境の影響を受けにくい分析法であることが示唆された。これらの結果から, 本法は環境水や排水の測定に適用できることが示された。

著者関連情報
© 2024 公益社団法人 日本水環境学会
次の記事
feedback
Top