岩手県滝沢市内を流れる調査対象の中小河川上流は東北自動車道と近接する。下流側に生息するカワシンジュガイの再生産が停滞していることから, 高速道路排水の水生生物への影響が懸念される。そこで, 高速道路排水と流入する中小河川の水質を, 淡水生物に対する生態毒性が指摘されるCl-を主対象として通年測定した。その結果, 対象河川において高速道路排水に含まれる凍結防止剤由来のCl-濃度上昇が12月1日から3月31日の凍結期において確認された。高速道路排水に含まれるCl-は, 河川に至り凍結期の平均で約10~20倍に希釈された。高速道路排水が流入した河川においてCl-濃度は日周性を持つピークを示し, カワシンジュガイなどの淡水生物の一部に対する生態影響が懸念される50~90 mg L-1のピークが複数回確認された。流量が少ない河川では, 高速道路排水が水生生物にリスクを及ぼす濃度で流下する可能性が示唆された。