抄録
浄水場ろか水及びフミン質構成モデル化合物の塩素処理を行ない,生成したトリハロメタン (THM),抱水クロラール (CH),ジクロル酢酸 (DCA),トリクロル酢酸 (TCA)を定量した。THMはECD-GCで定量した。CH,DCA,TCAはGC/MSあるいはECD-GCで定量する方法を開発した。
牛頸浄水場のろか水をpH7,20℃で塩素処理した時のCH,DCA,TCA生成量合計は総THM量とほぼ同じであった。これらの化合物は時間と共に増加し,反応6日後にはTOXの38%に達した (塩素当量として)。
1,3-ジヒドロキシベンゼン,1,3-ジヒドロキシナフタレン及びその誘導体の塩素処理では多くのクロロホルムを生成した。しかし他のヒドロキシあるいはジヒドロキシ化合物の塩素処理では,TCAが主生成物であるときもあった。