抄録
大学の教育研究活動により発生する染料, 絵具廃液は重金属と有機化合物を同時に含有しており, その組成は一定せず変動も大きい。本研究ではこれらの廃液を一括して処理でき, しかも組成の変化に柔軟に対応できる処理方法を検討した。予備実験として5種類の処理方法を検討したところ, 活性炭吸着法と塩化第二鉄凝集沈殿法を組み合わせる方法が最も有効であることが明らかになった。そこでこの方法について, 薬品添加量及び処理手順の検討を行い, 処理の最適条件を決定した。これらの検討結果をもとに岡山大学環境管理センターに設置されている1バッチ15001の凝集沈殿処理装置で, 大学から実際に発生した染料・絵具廃液6001を処理したところ, 良好な処理結果を得た。