抄録
活性汚泥処理プラントの凝集・沈降特性, 特に凝集・結合状態については, 熟練者がプラント内の微生物フロックの凝集・沈降の様子や上澄み液の濁りなどを観察することによって汚泥状態を把握し, それに対応した操作を行っている。これらの諸計測は感覚計測の分野に属し, 自動的な計測は困難とされてきたが, その自動化を計ることによって同プラントのより高度な制御が可能となる。
そこで本論文では, 凝集・沈降過程に “寸法” というゾンデを導入することによって凝集・結合能を評価しようとした。すなわち沈降天秤法において用いられる標準の秤量皿のほかに, 種々のメッシュ寸法のメッシュ状秤量皿を試作し, それらの秤量皿を用いて微生物フロックの積算重量の変化を電子天秤により測定した。これにより従来感覚的にとらえられていた微生物フロックの凝集結合能を自動的に計測する一手法を提案している。