水質汚濁研究
Print ISSN : 0387-2025
リン負荷モデルの検討と印旛沼への適用
中島 淳金子 光美
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1988 年 11 巻 3 号 p. 169-177,159

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抄録

湖沼の将来水質の予測で用いられるリン負荷モデルを, 浅い富栄養湖の印旛沼に適用し, その問題点を明らかにしたうえで改良を行った。すなわち, リン負荷モデルを1ボックスモデル系から押し出し流れ系に適用するよう修正を加え, 蓄積率 (R) 及び湖水中リン濃度 (Pout) の予測式として次式を得た。R=υ/qs, Pout=L (1-R) /qsただし, υは見かけのリン沈降速度, qsは単位湖面積当りの水負荷量, Lは単位湖面積当りのリン負荷量である。また, υについて考察を加えたうえで, υを含むリン負荷モデルの関係式をもとに, 印旛沼のリン濃度予測モデルを作成した。本モデルによる計算結果は, 移動平均による平滑化を行った際に実測値と良好に一致し, 最近の湖水中リン濃度の減少傾向を明瞭に示すことができた。

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© 社団法人日本水環境学会
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