水質汚濁研究
Print ISSN : 0387-2025
濁りの計量化
山本 純雄佐藤 啓仁芝沼 浩幸
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1988 年 11 巻 5 号 p. 314-319,298

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抄録
「濁り」は, 水質汚濁における基本的な計測量となっているだけでなく, 微生物プラントなどの内部状態量を把握するにあたっても重要な計測量となっている。しかし濁り量は現在のところ感覚的な測定に基づいており, 水中に含まれる物質の性質や量により様々な影響を受ける。このような感覚量をセンサ化して自動的に計測しようとするのが本研究の目的である。そこで種々の試料を用いて被験者に濁りを判断させ, 一方各試料の物理計測量を測定した。次に多次元尺度構成法を用いて, 各試料の布置を求めた。検討の結果, 2次元平面での布置が適切であることを見い出した。さらに重回帰分析を用いて物理計測量との相関を求め, 2次元布置上に基本的な物理計測量の軸を定めた。以上の解析によって濁りの基本的な要因は視感透過率と円相当径であることを明確にした。これらはいずれも物理計測量であり, 濁り量との関数関係を定めると, センサ化が可能となる。
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© 社団法人日本水環境学会
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