抄録
共軸回転円筒型ダイナミックフィルターを用いて, アオコのような難濾過性スラリーの濾過速度の改善を検討した。濾材を設けた内筒を回転させ, 内外両円筒間の輪形状の濾室でスラリーに強い剪断力を作用させると, その流れによって濾過ケークが濾材から連続的に掃流され, 運常のケーク濾過の場合と比較して, かなり高い濾過速度が得られる。また, 濾過促進剤としてカオリンを添加すると, ダイナミック濾過における濾過速度はさらに著しく増加する。この濾過速度の増加は濾過ケークがカオリンによってより完全に掃流されるためであり, 最適添加量はアオコに対して重量比で5程度であることを示した。これらダイナミック濾過特性は, 主としてローターの角速度, 濾室間隔および濾過圧力によって支配され, 角速度が大きく, 濾室間隔が小さいほど, ダイナミック濾過速度が増加するが, 濾過圧力が増加しても, 必ずしも濾過速度の向上に結び付かないことも明らかにした。