水質汚濁研究
Print ISSN : 0387-2025
余剰活性汚泥の凍結融解処理-凍結速度の影響-
川崎 健二石川 和久山城 博隆松田 晃井出 哲夫
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1988 年 11 巻 8 号 p. 520-526,496

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抄録
余剰活性汚泥を用いて, 凍結温度 (-16.5℃) と凍結管の形状 (内径50mmの円筒形) を一定に保ち, 凍結速度のみを変化させて凍結融解処理を行った場合, 汚泥の物理的化学的性状がどのように変化するかを調べた。その結果, 凍結融解処理による固液分離特性の改善効果は凍結速度の遅い方が大きいことが分かった。ただし, 凍結速度が2mm・h-1以下になると, 凍結速度の影響はみられなかった。そして, 凍結速度が小さいほど, 汚泥中の懸濁固形物が中心部分に集まって凍結することが認められた。
また, 凍結融解処理による液中の溶解性有機炭素濃度 (DOC) の増加は, 凍結速度によらずほぼ一定であった。ただし, 融解後のDOCの値は時間の経過とともに増加し, この増加の程度は凍結速度の遅い方が大きかった。したがって, 凍結融解処理によって汚泥細胞の被る損傷の程度は, 凍結速度が遅い方が大きいと推測された。
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© 社団法人日本水環境学会
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