抄録
カルシウムが共存する排水中のオルトリン酸の三次処理を目的として活性アルミナによる吸着除去を検討した。
リン酸濃度5.0mg・l-1, 全アルカリ度100mg・l-1, カルシウム濃度23.2mg・l-1, pH7の溶液100mlに0.2gの活性アルミナを添加し, 12時間振とうすると, リン酸の除去率は90%になったが, カルシウム無添加時では60~64%であった。除去されるリン酸の量は液のpHに大きく影響され, 酸性側では増加し, アルカリ側では減少し, カルシウムが存在すると, pHの影響が緩和される。
2.0gの活性アルミナを充填したカラムにリン酸濃度5.0mg・l-1, 全アルカリ度100mg・l-1, カルシウム濃度23.2mg・l-1, pH7.0の溶液をSV=10h-1で流下させ, 流出液中のリン酸濃度が1.5mg・l-1に到達するまでの液量をカルシウムが共存しない場合に比べると, 約12倍であった。上記操作条件下で除去されたカルシウムとリン酸のモル比は流出液量が28l付近で2.1であった。