水質汚濁研究
Print ISSN : 0387-2025
嫌気性流動床によるメタン生成に及ぼす基質組成の影響
松本 明人李 光浩野池 達也
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1989 年 12 巻 2 号 p. 95-104,93

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抄録
嫌気性消化法の効率化のために,二相消化法と生物膜法を組み合わせたプロセスが提案されている。本実験では,二相消化法のメタソ生成相に嫌気性流動床を導入したシステムを想定し,流入基質組成が,基質除去特性や生物膜形成にどのような影響を及ぼすかについて検討した。使用した基質としては,酢酸単一基質,酵母エキスを添加した,酢酸,プロピオン酸,n-酪酸から成る混合酸基質,グルコースを添加した混合酸基質を用いた。実験の結果,酵母エキスやグルコースといった有機物を少量添加した混合酸基質を用いた方が,酢酸単一基質を用いた場合より,基質除去効率が改善された。生物膜形成能も,酢酸単一基質を用いたときより,酵母エキスを添加した混合酸基質を用いたほうが良好であることがわかった。
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© 社団法人日本水環境学会
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