水質汚濁研究
Print ISSN : 0387-2025
観測井水質の多変量解析による地下水汚染の状況把握
乙間 末広中杉 修身
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1989 年 12 巻 2 号 p. 105-111,93

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抄録
本研究では,有機塩素化合物と同時に測定された16種の一般水質項目のデータに多変量解析(主成分分析とクラスター分析)を適用し,各観測井を水系別に分類することにより,地下水水質調査データの見通しをよくし,地域の地下水汚染の実態を明らかにすることを試みた。
その結果,対象地域の52の井戸は4つの水系別にグループ化できた。4つのうち2つは浅層地下水系で,残りの2つは深層地下水系であり,パークレンの汚染は浅層では局所的であるが,深層では地域全体に及んでいることがわかった。また,井戸をグループ化し,データを分離することによって,はじめて,大半の深井戸が属する水系のパークレンによる汚染状況を,等濃度線図として把握することができた。
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© 社団法人日本水環境学会
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